第70章 Second Wedding
翔さん達の再婚のお祝いを祝う暇もないまま、俺達はツアーのリハーサルにリハーサルを重ねた。
コンサートが出来上がっていった。
そして、また今年もこの日を迎えた。
和「それじゃ母さん。いつも通りお願いします。姉ちゃんにも宜しく」
和母「頑張ってね。行ってらっしゃい」
智「智香。智也と和香宜しくな。何かあったらばぁばが居るからな」
智香「うん。パパお母さん行ってらっしゃい」
智「お母さんいつもすみません」
和母「それはいいのよ。うちの人もまた面倒見るの楽しみにしてるから」
智「本当に助かります。宜しくお願いします」
智也「行ってらっしゃい!」
母さんと子供達に見送られながら、俺達は札幌へと旅立って行った。
智「………なぁ…かず」
「何?」
北海道への機内の中、俺に寄りかかりながらウツラウツラしていたと思ったさとしに声を掛けられる。
智「何考えてんだ?」
「何で?」
智「………だってお前ゲームもしないでずーっと外見てる」
「………」
智「どうした」
「うん…あのさ…最近母さん…ちょっと雰囲気違くない?」
智「違うって…」
俺の言葉がよく分からなくて、さとしは首を傾げたけど…俺はここ最近何となく感じてた。
「………父さんの事話す時…ちょっと違うっていうか…」
智「え?」
「もしかして…もしかしてって事かなって」
智「かず…」
俺の気持ちを悟ったのか、さとしは飛行機の中では何も言わずに俺の手を握ってくれていた。