第11章 復帰
ー潤sideー
賛否両論起こると思った翔の早い復帰に、世の中は思っていたより寛容で。
会う人会う人に俺達は沢山のお祝いの言葉を頂いていた。
けれど…あの日ジュリーさんが言っていた事は当たっていて。
子育てに追われてトレーニングもままならなかった翔にとって、いつもと変わらないスケジュールでもかなりハードみたいで、仕事が終わる度にぐったりしていた。
レギュラー番組以外は24時間テレビの打ち合わせ位で…休みも少し取れているお陰でゆっくり出来る日もあったけど…仕事の時以外両親の手を絶対に借りようとしない翔は休む暇も無く、確実に毎日疲れてる様だった。
「翔。大丈夫?」
そんな事聞くのは日常茶飯事で。でも翔は決まって
翔「大丈夫」
それしか言わなかった。
俺は…夫としてどうやって支えたら良いんだろう。
智「松潤大丈夫?」
隣にりーだーが座っていたのを忘れていた。
「ご、ごめん。大丈夫。何の話だっけ」
智「おいらのソロをフルにするかハーフにするかって話」
「あぁ…そうだった…」
智「大丈夫?」
「大丈夫だって」
智「ちょっと休憩しようか」
りーだーは立ち上がり、コーヒーメーカーを作動させた。
「………」
俺はため息を付きながら机に突っ伏した。
智「おいらさ…結婚しようと思うんだ」
「………は?」
りーだーの突然の告白に、意味が分からず俺は顔だけを上げた。
智「近い内プロポーズするかなって」
「………ええええええええええええええっっっ!!!」
バタン、と机を叩きながら俺は立ち上がった。
智「声でかいって!」
「だ、だだだだだ誰と!?」
智「アホか。1人しか居ねぇだろ」
「あ、だ、だよな…にの…」
智「ははっ、疲れが吹っ飛んだ?」
笑いながらりーだーがコーヒーを俺の前に置いた。
俺はぽかんとしたままりーだーの笑顔を見つめていた。