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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第11章 復帰


帰りの車の中で翔は一言も発せず、押し黙っていた。


去年から決まっていたドームツアーを翔は心待にして、自分の中でそこからの復帰だと決めていたのだろう。その分ショックも大きかったみたいで。


アイドルである俺達の1番のホームはコンサートだと俺達は思っていて、そのコンサート、しかも俺達が長年夢見ていた5大ドームツアーに参加出来ないのは…とても歯痒くて悔しい。


そして俺はコンサートの打ち合わせでまた忙しい日々が続く。帰れない事もある。
でも…ここが踏ん張りどころだ。


マンションの駐車場に車が止まる。


潤マネ「着きました。お疲れ様です」


「お疲れ様。ありがとう」


翔「………お疲れ」


足早に翔は車を降り、エントランスまで行ってしまった。


「翔!」


翔を呼び止めたけれど無言でスタスタとエレベーターに乗った。


翔「………」


「………翔…」


翔「分かってる。ごめん…」


「………いいから。俺にはぶつけて」


そう言うと俺は翔を抱き寄せた。


翔「………ぐすっ…うっ…潤…悔しい…」


「うん…」


翔「ふぅっ…っっ…」


エレベーターが開くまで、翔は俺にすがり付いて泣いた。
俺はただ、翔の涙を受け止め、抱き締め続けた。
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