第69章 Essential
ー潤sideー
「はぁ…気持ちいい」
翔「五臓六腑に染み渡る…」
「ふふっ、確かに」
浴室に響く心地いい水音。
後ろから翔を抱き寄せる様にして2人で温めのお湯に浸かる。
翔「太陽寝たかな…」
「ともくんと一緒にはしゃいで怒られてそうだけど」
翔「ふふっ、確かに…」
「お詫びに今度差し入れでもしようか」
翔「いいね。お肉でも持って行って焼肉でもして帰る?」
「それいいね」
翔「もう寝てるだろうからLINEだけしておくよ」
「分かった」
翔「申し訳なかったな…」
「子供4人だしな」
翔「でも太陽は…楽しかったんじゃないかな」
「そうだな」
そのまま静かになる翔。
静かに手をパシャパシャさせる手を後ろから握る。
「翔」
「………ん?」
「話し合う?」
翔「何?」
「………子供の事」
翔「子供の事って…」
「もし翔が…やっぱり欲しいなら俺は協力するよ」
翔「………」
翔が静かに振り返り、俺を見つめる。
翔「俺が欲しいなら?」
「うん」
翔「潤はどうなの」
「………」
翔「子供は欲しいよ。でも潤が欲しくないならいらない。俺達が駄目になった根本はそこの考え方が違ってたからでしょ。潤が俺の為に言ってくれるのは本当に嬉しい。でも…『俺が望んだ』だけじゃ駄目だよ。同じ温度差にならないと無理だよ。それに…」
「それに?」
翔が微笑みながら俺の首に手を回す。
翔「今は心から…潤と太陽が居ればいいって思ってる。俺はそれだけで幸せだから」
偽りのない微笑みを浮かべる翔が愛しくて…俺は翔を抱き締めながら唇を重ねた。