第68章 ママにプロポーズを
太陽「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
太陽のスクールバスを見送った後、マンションに戻ると潤が朝食の片付けを終わらせてるとこだった。
「あ、潤ありがとう」
潤「大丈夫。もう終わるし腰痛いだろうから座っててよ」
「じゃあ…お言葉に甘えます」
そのまま移動してソファーに腰掛ける。
「確かに…腰痛いなぁ」
腰を擦りながらぼんやりと天井を見上げる。
潤「後で湿布貼ろうか?」
「あー…お願いしようかな」
潤「了解。ほい、コーヒー」
「ありがとう」
コーヒーカップを受け取ると、潤が隣に座る。
潤「………幸せだな…」
「え?」
潤「当たり前の事が…こんなに幸せだったんだなぁ…」
「潤…」
潤「新しい生活のスタートだな」
「うん。新しい生活のスタートに…乾杯」
潤「ふふ、乾杯」
カップの当たる音が心地いい。
「新しい生活か…」
潤「何か…区切り付けれる事。あればいいなぁ」
「区切り?」
俺が潤の方を向くと、潤がコーヒーを飲みながら考えてる。
潤「何か…二度目の結婚生活のスタートっていうか…ブランクはあるけど…結婚10周年だろ」
「そっか…そうだね…。10年…」
沢山の事があり過ぎて考えられなかったけど。
そうか。10年…。
潤「うーん………」
唸っていた潤が思い付いたのか、俺の方を見つめる。
「何?」
潤「結婚式」
「………え?」
潤「結婚式。またしようか」
潤の提案に俺はコーヒーカップを落としそうになった。