第68章 ママにプロポーズを
太陽「はい!お父さん書いて」
太陽が潤のスマホを向ける。
潤「撮影すんの?」
太陽「うん。これもしょーめいです!」
潤「そっか」
潤がペンを取り、『夫になる人』の欄に記入していく。
虎鉄「にゃ〜ん」
虎鉄が鳴きながらテーブルに上がって来る。
「虎鉄も承認になってくれるの?」
虎鉄「みゃ」
「ふふっ、はいだって」
ゴロゴロと喉を鳴らす虎鉄を抱き抱えた。
潤「………よしオッケー。じゃあ翔の番」
太陽「次はお母さんでーす」
「はーい」
虎鉄を潤に預け、ペンを受け取り『妻になる人』の欄を埋めていく。
また正式に…櫻井翔から松本翔になる。
泣きそうになるのを堪えて埋めていった。
「よし。書きました」
太陽「かんせーい!」
太陽が跳び跳ねながらスマホの撮影を終えた。
潤「後は松本のじぃじと櫻井のじぃじに名前書いて貰って完成」
太陽「じゃあ書いてもらいに行こう!」
「今日はもう遅いから…土日に行こう。ちゃんと結婚の報告をして…お願いしよう」
太陽「うーん。待てない」
潤「焦らなくていいから。ね?」
太陽「………」
「………太陽?」
太陽「もう…ずっと一緒?お父さんとお母さん…お別れしない?」
「………太陽…」
俺達の離婚が…どれだけ一人息子の心に傷を付けたか。
分かってはいたけれど…思い知らされる度に罪悪感に押し潰される。
潤「もう絶対離れない。約束するよ。皆一緒だ」
太陽「ほんと?」
潤「太陽おいで」
潤が太陽に手を差し伸ばすと太陽が潤に近付く。
大切な息子を力強く抱き締めて、片方の手で俺を抱き寄せる。
太陽「こても」
手を伸ばした太陽に虎鉄が擦り寄って行く。
潤「絶対離さない。皆一緒だよ」
翔「うん」
太陽「うん」
今度こそ…絶対離さない。
俺達家族は固く誓い合った。