第68章 ママにプロポーズを
潤「ただいま」
「お帰り潤」
潤「はい。買って来たよ」
翌朝。
太陽が学校に行った後、薬局の開店の時間を見計らって潤が妊娠検査薬を買って来てくれた。
紙袋に入ったそれを俺は頷きながら受け取る。
「ありがとう。じゃあ…」
潤「うん。俺コーヒーでも入れてるから」
「ありがとう」
俺は検査薬を持ってトイレへと入った。
リビングに戻るとソファーに座った潤がコーヒーを飲みながら振り返る。
俺は黙って隣に座り、テーブルに検査薬を置いた。
潤「翔。あのさ」
「何…?」
「結果が分かる前に伝えておきたいんだ」
「うん…」
身体を潤の方に向き直すと、潤も俺を見つめた。
潤「本当は…昨日伝えようと思ってた。太陽が『僕の前で』って言ってたのに先に寝ちゃったからまた折を見てって思ってたんだけど。やっぱり…息子の前だと照れ臭いってゆーかさ…」
「うん…何?」
潤「俺達…もう何があっても離れないって誓った。そう決めて…3カ月…もうすぐ4カ月か」
「潤…?」
潤「………ちゃんと…また形にしたい。翔を俺の奥さんにしたい。人前で『妻』って言いたい」
「潤…」
何となく…潤の言いたい事が伝わってくる。
今度こそ一生傍に。
また潤の隣に居るだけで満足してたけど…心の何処かで待ってた。
今から言われるだろう言葉を。
潤「愛してる。もう一度…俺と結婚して下さい」
「他の男の子供…妊娠してるかもしてないのに…いいの?」
潤「関係ない。翔を愛してるからだから…結婚して欲しい」
「………はい。もう一度…俺を貰って下さい」
潤「良かった…!」
満面の笑みの潤に抱き締められ、泣きながら俺は大きな背中に手を回した。