第68章 ママにプロポーズを
潤の裏切りを知ってしまったあの日から…潤と本当にやり直す事を始めて数ヶ月。
潤とはまだ肌を重ねてはいなかった。
今、もしかしたら…俺のお腹の中には奇跡的に赤ちゃんが居るのかもしれない。
だとしたら…父親は………斗真しか居ない。
斗真の子?
斗真の子供が…お腹に居る?
あんなにあんなに頑張って出来なかった赤ちゃんが…。
今このタイミングで…。
ぎゅっとお腹を押さえながらベッドの中で丸くなると、後ろから腰に回されていた手がぎゅっと引き寄せられる。
「潤…?」
潤「………眠れないの?」
「………ごめん。俺…」
潤「謝らなくていいって言っただろ。それにまだ決まった訳じゃない」
「可能性としては低いけど…でも…」
潤「とにかく明日調べて…陽性だったら病院に行こう。な?疲れてるからもう寝よう」
「潤…」
後ろを振り返り、正面から潤に抱き着いた。
「愛してる…」
潤「俺も愛してるよ」
「もし…もし出来てたら潤は…どうしたい?」
潤「………」
潤がそっと俺の髪を撫でる。
潤「俺は…翔のしたい様にしたい」
「潤…」
潤「翔は…どうしたい?」
「俺…は…分からない…」
潤「結果が分かってから考えよう。一緒に考えるから」
「でも…もし斗真の子…居たらもう潤とは…」
潤「ならない。もう絶対離れないって誓ったろ。そんな事位で離さないからな」
「潤…」
潤のその言葉に…俺は涙を溢しながら潤の腕の中で目を閉じた。