第68章 ママにプロポーズを
ー翔sideー
潤「よいしょっと。うぉっ、重い…」
帰りのジャンボタクシーの中で眠ってしまった太陽をベッドに寝かせ、潤がそのまま腰掛ける。
潤「そろそろ抱えるのも無理かなぁ」
「ありがと潤。お風呂入る?」
潤「どうしよっかなぁ。ちょっと小腹空いたなぁ」
「相葉くんとこに貰ったからご飯温めようか」
潤「そうだな」
「エビマヨは取っておこうね。そうしないと太陽拗ねるから」
潤「うん」
2人でリビングへと戻り、軽い夕飯の準備をした。
潤が包みから相葉くん家の中華を取り出し、皿に取り分ける。
俺がそれを順番に温め、テーブルに並べる。
「美味しそう〜」
潤「本格的に腹減ってくるなぁ」
そんな事を言いながら立ち上る料理の香りを嗅いでると、急に込み上げた吐き気に俺は思わず口を押さえた。
「うっ、ぷ…」
潤「翔?」
「ご、ごめん…」
慌てて流しに走り、蛇口を捻る。
「げほげほっ…はぁ…」
潤「大丈夫か?」
潤が優しく背中を撫でてくれる。
「ごめん急に…」
潤「謝るなよ。やっぱり具合悪いのか?」
「そんな事ないけど…何か…匂い嗅いだら急に…」
そう言うと…心配そうな潤の眉間に皺が寄る。
「潤…?」
潤「………まさか…翔。最近体調悪かったりした?」
「たまに…少しだけ胃がムカついたりとかしたけどでも………
え…」
そこで潤が何を言おうとしてるのか、自分でも分かった。
「………そんな…違うよ。だって俺達…」
潤「………可能性は…ゼロじゃないよな」
「でも…」
俺は…そっとお腹に手を当てながら思い出していた。
あの日の…斗真との記憶を。