第68章 ママにプロポーズを
翔「いい結婚式だったね」
「うん。お腹の大きい綾香ちゃん見たら思い出したよ。俺達の時の事」
帰りのジャンボタクシーの中、そう言うと隣の翔が俺を見て微笑む。
『ママにプロポーズして』
太陽との約束…まだ実行出来ないまま俺達は元通りの日常へと戻りつつあった。
正式に離婚してからもうすぐ1年が経つ。
長い様であっという間、でも本当に沢山の事があった1年。
結婚がゴールではなく始まりなんだと分かってはいたけれど。
結婚してからこんなにも沢山あるんだと…身に染みた。
でももう俺は迷いはないから。
翔と…もう一度結婚したい。奥さんになって欲しい。
ちゃんとプロポーズしよう。
帰ったら…今日。
「翔体調大丈夫?今日朝ダルいって言ってたけど」
翔「今は大丈夫だよ。幸せのお裾分けして貰ったからかも」
「お裾分けしないと幸せじゃなかった?」
翔「………ううん。幸せだよ」
手を伸ばした翔の手を握り返して見つめ合った。
智「ごほんごほん!」
和「全くヨリを戻したら前よりいちゃいちゃ止まらないんだからあんた達は」
振り返るとりーだーとにのが呆れた様に笑っていた。
智「寝てるとはいえ子供の居ないとこでやってくれな〜」
そんな2人に俺達は見つめ合い、笑った。