第67章 恋の行方 PART 2
ー斗真sideー
「………よ。久し振り」
玄関の扉が開き、手を上げながら笑っても目の前の彼女は黙って俺を見つめていた。
真央「何しに来たの」
「元気かなって思って」
真央「本気で言ってるそれ」
「………入れてくれないの?」
そう言うと、真央は溜め息を付いて俺を中へと招き入れた。
「俺さ…」
ソファーに座り、真央が差し出してくれるコーヒーを受け取りながら口を開いた。
「翔くんの事…無理矢理抱いちゃった」
真央「え?」
「潤と離婚して…歯止めが効かなくなったみたいだ。奪いたくて奪いたくて…どうしても俺の物にしたかった…」
真央「………」
「俺達…似た者同士だな。自分の事しか考えてない…馬鹿野郎だ」
真央「私は後悔なんてしてないわよ」
「………堕ろした子供が誰の子か言わなかったろ。それはお前の潤への愛だろ」
真央「………」
俺の言いたい事を分かったのか、真央はコーヒーカップを握り締めてそっぽを向いた。
「妊娠した事…何で言わなかった」
真央「………言う必要ある?」
「あるだろ」
真央「ないわよ」
「俺の子だったら言う必要あるだろ…!」
俺の言葉に真央は涙を溢した。