第67章 恋の行方 PART 2
玄関で俺を迎えた後、斗真は何も言わずにリビングへと向かい合って俺も後を追った。
無意識だった。
振り返った斗真に俺が首をかけたのは。
でも斗真は抵抗する事なく、黙って目を閉じていた。
俺は斗真の首を絞めながらゆっくりとソファーで馬乗りになる。
ぐいぐいと手に力を込めていった。
斗真「………ぐ…」
青ざめていく斗真の顔。
それが次第に土気色になる頃に俺は漸く手を離した。
斗真「うげっ!げほっ!げほげほっ…!」
咳き込みながらソファーから転がり落ちる斗真を俺は立ち尽くしたまま黙って見ていた。
斗真「な、んで…げほっ…手離すんだよ…はぁっ…」
喉を押さえながら俺を見上げる斗真。
「死にたかったのかよ」
斗真「………殺してやるって言ったのはお前だろ」
「………翔と太陽を殺人犯の家族にするのは真っ平ごめんだ」
斗真「………」
呼吸を整えながら床に座る斗真の隣に腰を下ろした。
「煙草。持ってるか」
斗真「………テーブルの上」
手を伸ばし、煙草を取ると1本口にくわえ、斗真の口に1本捩じ込んだ。
「ふぅ…」
お互いの口から上る煙を見つめながら俺達は暫く黙って煙草を吸っていた。