第67章 恋の行方 PART 2
ゆっくりと玄関に入り、靴を脱いで静かに上がる。
時計を見ると時刻はもう既に3時を回っていた。
「………早くお風呂…」
早く綺麗になりたくて…そのまま脱衣場へと入る。
鏡に映る俺の姿が目に入る。
ボタンの飛んだシャツから露になる胸元。
そこには沢山の…斗真に付けられた痕。
「どうしよう…潤に…言わないと…」
潤「翔。帰ったのか?」
ドアが開いたと同時に潤が入って来る。
「じ、潤起きてたの…?」
潤「何回電話しても出ないから心配するだろ。何で電話くれなかった?」
「ご、ごめん…忘れてた…」
潤「………忘れてた?」
背中を向ける俺の様子がおかしいと…潤には直ぐに分かったんだろう。
潤「翔」
腕を掴まれ、無理矢理振り向かせられた。
潤「………しょ…」
案の定、見開かれた潤の視線が俺の胸元に集中した。
「………ごめんなさい…」
潤「………何があった?」
「………落ち着いたら…話すから。だから…シャワー…浴びさせて」
潤を振り切る様に俺は服のままバスルームへと入って行った。
潤「翔!」
「お願い来ないで!見られたくない…」
シャワーのコックを捻り、温かいお湯を浴びた。
「潤…」
ガラス戸が開き俺と同じ、服を着たままの潤が入って来た。
「潤濡れる…」
潤は何も言わずにそのまま俺を抱き締めた。
「潤…」
潤「………斗真か?」
「っっ…」
返事をしない俺の答えがイエスなんだと潤にそう思わせた。
「………ごめんなさい…」
温かいシャワーを浴びながら…潤は黙って俺をいつまでも抱き締めてくれていた。