第67章 恋の行方 PART 2
ー翔sideー
「斗真…」
斗真「………離婚しなかったらこんな事思わなかった。当て付けでも良いって本当に思ってた。でも…貴方はもう誰の物でもない。遠慮する必要ない」
「ごめんなさい…俺は…」
斗真「結婚しよ…翔くん」
「………え…?」
斗真「俺と結婚しよう。生田翔になってよ」
「と、斗真…」
斗真の手が俺の左手を取り、薬指に触れる。
斗真「指輪…俺が翔くんに似合う指輪プレゼントするから。だから…俺と結婚しよう。俺の奥さんになってよ…翔くん」
「………出来ない…」
斗真「………どうして」
「潤を愛してる…だから…斗真とは結婚出来ない…」
斗真「………」
「お願い…俺を帰し…っっ!」
ドンッと大きな音を立て、斗真が俺の顔の横に手を着いた。
「と、斗真…」
今目の前に居るのは…俺の知ってる斗真じゃない。
あの優しい…俺を包み込んで見守ってくれていた斗真は…今ここには居ない。
そう感じた時、俺は誰にも言わずにここに来た事を…死ぬ程後悔した。
怖い…。
潤…助けて…!
斗真「愛してるんだよ…翔くん」
「と…」
斗真「潤なんかに渡したくない。俺なら…貴方を裏切ったりしないから。幸せにするから。だから結婚しよう。結婚してくれよ」
「ごめんなさい…斗真ごめん…!俺は…潤ともう一度…」
斗真「俺を選んでくれよ!!」
「ご…め…」
斗真「………渡さない。潤には渡さない…」
「え、と、斗真!離して!!」
斗真がいきなり俺を抱え上げ、リビングから出て行った。