第67章 恋の行方 PART 2
斗真「………いらっしゃい」
「急にごめんね」
斗真「………いや。どうぞ」
「ありがとう。お邪魔します」
靴を脱ぎ、斗真の後を歩いてリビングへと入る。
斗真「何か飲む?」
「あ…いや大丈夫」
斗真「そう。で、話って何?」
「うん…」
ドッカリとソファーに腰掛け俺を見つめる斗真に圧倒され、一瞬怯んでしまう。
「………あの…俺…」
斗真「………」
「潤と…やり直す事に…した…」
斗真「………」
「だから…もう斗真とは会えない。ごめんなさい」
斗真「………それを言いに来たきたの?」
「ちゃんと…直接伝えたかったから」
斗真「そう」
「斗真には…感謝してもしきれない位感謝してる。俺の事沢山助けてくれた。あの日の事も…俺は斗真が居なかったらどうなってたか分からない。本当に…斗真が居てくれて良かったって…」
斗真「………」
「ありがとう…斗真」
頭を下げても斗真は押し黙ったまま、俺を見続けている。
もう帰った方がいいのかもしれない。
何をどう取り繕っても…斗真を傷付けた事には代わりないのだから。
「ごめん…それじゃ…帰るね。本当にありがとう」
斗真に背中を向け、扉に向かいドアノブを掴む。
すると後ろから手が伸び、開きかけの扉が強い音を立てて閉まった。
「と…斗真…」
斗真「言いたい事だけ言って帰るの?俺の気持ちは無視?」
「ち、ちが…」
振り返ると、鋭い視線の斗真に俺はその場を動けなくなった。