第67章 恋の行方 PART 2
「智くん。にの。ありがとうね」
智「何もしてねぇよ」
「そんな事ない。智くんとにのの言葉が俺を救ってくれた」
和「翔さん泣かせるなんてどんな格好いい事言ったんですかあんたは」
「ごめんねにの。智くん借りて泣いちゃった」
和「許さない」
「ご、ごめん…」
和「潤くんと仲直りするまではね」
「………にの…」
和「早く夫婦に戻りなさいな」
「………うん。ありがとう」
智「そんじゃお疲れ」
「お疲れ様。またね」
和「お疲れ様翔さん」
レコーディングを無事に終え、心もすっきりした俺は鞄を背負って2人より先にスタジオを後にした。
潤にちゃんと言おう。
今の俺なら…素直に潤の腕の中に飛び込んでいける。
けれどその前に。
俺にはやらなきゃいけない事がある。
自分の気持ちをちゃんと伝えなきゃいけない人がいる。
スマホを取り出し、その人に電話を掛ける。
「もしもし…良かった出てくれた」
斗真『翔くん。どうしたの』
「話がしたい。近い内…会えないかな」
斗真『………今家に1人で居る』
「じゃあ…今から行くよ。ありがとう」
そう言うと電話は呆気なく切れた。
そして俺は…そのまま斗真の家に向かった。