第67章 恋の行方 PART 2
「ん…」
ゆっくりと目を覚ますと…目の前にある俺を抱き締めて眠る顔。
凛々しい眉毛とふっくらとした唇。閉じられた綺麗な瞳。
最後に見た寝顔と何ら変わらない寝顔。
約1年振りに潤と迎える朝。
久し振りに…夜中に目が覚めず、ぐっすりと眠れた夜。
やっぱりここのこの場所は…世界で1番落ち着ける場所なんだと再確認した。
潤「う、ん…翔…?」
「居るよ。おはよ」
ゆっくりと長い睫毛が上がり、大きな瞳が俺を捉える。
潤「おはよ…良かった居て…」
「どうして?」
潤「夢だったら…どうしようって」
潤がぎゅっと俺を抱き締めてくる。
「俺はここに居るよ…」
潤「翔は…ここに居る…」
そっとキスが降りた後、また潤の腕の中に収まる。
「潤…」
潤「ん?」
「起きないの?」
潤「まだ起きたくないな…」
「朝ご飯…作んなきゃ…」
潤「もう少し…待って」
「じゅ、ん…」
潤の唇が首筋に触れる。
「あっ…!」
ちくりと痛みが走ると潤が俺から離れる。
ぺろりと唇を舐めながら俺を見ていた。
「痕…付けたの?」
潤「さて。今日は俺が朝ご飯作ろうか。久し振りに気持ちのいい目覚めだったし」
笑いながら潤がベッドを抜けていく。
「ちょっと…今日仕事なのに…!」
潤「もう少し寝てていいよ。出来たら呼ぶから」
首筋を押さえながら起き上がる俺を笑って見つめながら潤は寝室を出て行った。