第67章 恋の行方 PART 2
にのと綾香ちゃんに会ってから数日後。
その日は潤も俺も仕事が早く終わる予定で。
久し振りに親子3人で夕食を取れる事が出来た。
潤「ただいま〜」
太陽「お母さんただいま!」
玄関が開くと同時に聞こえる2人の声。
それと同時に椅子の上でくつろいでいた虎鉄が玄関に駆け出して行く。
「お帰りなさい。丁度出来たよ」
お皿をテーブルに並べながら顔を上げると、虎鉄を抱っこした太陽が帰って来た。
太陽「晩ご飯何?」
「相葉くんとこの実家の搾菜貰ったからそれを筍と卵と中華風に炒めて…厚揚げの煮浸しと…あ、綾香ちゃんから教えて貰った鮭とゴボウの炊き込みご飯」
太陽「いい匂い!」
「久し振りの3人でご飯だったんだけど…地味でごめんね」
潤「何で謝るんだよ。俺も太陽も好きだよ翔の和食。な?」
太陽「うん。お母さんのご飯美味しいよ。お腹空いた!僕着替えて来るね」
バタバタと虎鉄を抱いたまま、鞄を持って部屋に走る太陽。
潤「いい匂い…」
「炊き込みご飯でしょ?やっぱり炊き込みご飯ていい匂いが…」
笑いながら振り返ると潤に抱き締められる。
潤「炊き込みご飯の匂いのする翔がいい匂いなんだよ」
「………潤…」
後ろから…俺の肩に顔を埋めながら潤が呟く。
あの日から。
幸せだった日々と変わらない様に…潤は俺に気持ちをストレートにぶつけてくる様になった。
でもやっぱり俺はそう簡単には…。
俺は潤の腕の中から抜け出せずにいた。