第67章 恋の行方 PART 2
綾香「………そんな事があったんだね…」
「ごめん…にのにもずっと言えなくて…ちょっと喧嘩したりもして…」
綾香「そうなんだ…」
和「言えなくて当たり前だよ。でも言ってくれて良かったよ」
「ありがとう。でもね…昨日…潤が…」
和綾「潤くん?」
「………『俺の子じゃない』って」
和綾「え!?」
「『翔が責任感じる必要はもうない』って…」
和「待って…それって潤くん彼女が妊娠してるって事知ってたの?」
「………知らなかった筈なんだよ。でも多分…どこかで知ったんだと思う」
綾香「じゃあどうして…彼女は嘘なんて…」
「きっと…それだけ憎まれてたんだよ俺は。彼女から…潤を取ったから」
和綾「………」
眉を下げながらにのと綾香ちゃんが俺の手を握ってくれる。
和「でも…これで2人やり直せるんじゃん。彼女が妊娠したのは潤くんの子供じゃない。だったら翔さんが責任感じる必要はないんじゃない?」
綾香「そうよ。もう彼女に遠慮なんていらないじゃない」
「………でも…」
綾香「でも何?」
「彼女の嘘に勝手に傷付いて…俺…斗真と寝たんだよ。潤以外の人に…望んで抱かれた」
和「………でもそれは…」
「自分から斗真の所に行ったんだ。聞いたその足で。もう少し冷静になれば良かったのに…あの時の俺は…それしか…斗真に逃げる事しか分からなかった」
綾香「翔くん…」
「でも…俺自分が許せない…何で取り返しのつかない事を…」
それ以上言葉にならなくて。
代わりに出たのは大粒の涙だった。