第67章 恋の行方 PART 2
『どんなに最低なさとしでも』
その言葉が頭の中で繰り返しリフレインする。
にのと…智くん。
俺と潤よりも辛い事を乗り越えてきた。
揺るぎない愛で。
俺は?
どうしたい?
彼女の心の傷は一生癒えない。
俺の心の傷も。
潤の…心の傷も。
俺の人生。
潤の人生。
彼女の人生。
俺は…
太陽「んー…おかーさん?」
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
まだ電気を消してなかったせいか、太陽が目を擦りながら振り返る。
太陽「どしたの?」
「ん?ちょっと眠れなくて」
太陽「お父さん?」
「………どうだろ」
太陽「………一緒に寝ればいいのに」
「駄目なの。夫婦じゃないんだから」
太陽「ぼく知らないし…ねぇ虎鉄?」
虎鉄「にゃーん」
「もう…意地悪言わないでよ。ほら、寝よ」
リモコンを取り、部屋の電気を消した。
太陽「だーって狭いし」
「十分大きいでしょ。ほらっ」
太陽「ははっ!やだ〜」
息子と戯れながら、俺達は眠りに落ちていった。