第66章 恋の行方 PART 1
「真央」
真央「………」
「お前に嘘の事実を告げられた翔は…俺に別れてくれって伝えた。お前を選べってそう言ったんだ」
真央「そうすると思ったわ。偽善者の彼なら」
「その足で斗真のとこに行った。斗真の家に泊まったんだ」
真央「………そう」
顔色を変えず、真央は俺を黙って見つめた。
「こんな言い方したくない。でも…お前のせいで俺は…俺と翔は…」
真央「………別れればいいって思った。彼なら私が言った事告げずに貴方と別れようとするだろうって思った」
「そんなに…俺達が憎かったのか。友達として付き合ってくれてたのは…建前だったのか」
真央「そう言ったでしょ。潤くん…貴方の事は憎んでない。憎めない。今でも愛してる。でも…櫻井さんは違うの。憎まない努力をしようって思ったけど駄目だった。あの笑顔を見れば見る程憎悪が増すばかりだったの。傷付けばいいって…苦しめばいいって思ってた」
「………」
真央「ごめんなさい潤くん。でも…あの人には1ミリだって悪いとは思ってない」
「………そうか」
ゆっくりと立ち上がり、俺は真央を見下ろした。