第66章 恋の行方 PART 1
「出て行くって…」
翔「きっと無理してた。多分このままだとまた昨日みたいな事になる。お互い責め続けちゃうよ」
「………」
翔「あのね、それでさっきまでちょっと調べたんだけど…ここのマンション一部屋空きが出てるんだって。ちょうどひとつ上の階なんだけどね。俺…そこに行こうと思う」
「わざわざ部屋借りるのか?」
翔「でもそこだったら朝夜は太陽と3人で居られる。何かあれば俺も直ぐにここに居られる。太陽はここで暮らすから何も変わらない。太陽が寝たら俺は部屋に戻ればいい。負担もないでしょ?」
「………」
翔「潤…」
翔の言ってる事は間違いない。
きっとこの状態でこのまま同居を続けても何かある度に翔を責めてしまう。
分かってるけど…。
翔が出て行く。
居なくなる。
もう2人きりにはなれない。
そう考えると俺は…俺は…。
「俺と居たくないの?」
翔「違う。俺達が上手くやっていく為にだよ」
「斗真と結婚したいからじゃないのかよ」
翔「誰もそんな事言ってないし思ってもないよ…!」
「今のままだと斗真と一緒に暮らせないもんな。何なら斗真んちで暮らせばいいじゃんか。さっさと結婚すればいいし…」
翔「いい加減にしろよ!」
翔の平手が思いきり飛んでくる。
「いってぇな。何すんだよ!!」
翔「潤と別れて俺がそんな簡単に他の奴と結婚するなんて思ってんのかよ!」
「だったら…」
翔「俺が結婚したいって思うのは後にも先にも潤しか居ない!!俺には潤しか居ない!!」
「………翔…」
翔「もういい。潤がそんなに歩み寄りたくないならもう…」
そっぽを向く翔の頬に涙が光ったのを見た瞬間、俺の頭が爆発した様に思った。
翔「じゅ…!」
俺は翔を壁に押し付け、唇を奪っていた。