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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第66章 恋の行方 PART 1


潤「お帰りなさい」


靴を脱いでると潤が出迎えてくれる。


「あ…ただいま…」


潤「お疲れ様…どうした?」


「………え?」


潤「何か泣きそうな顔に見えた」


潤の手が伸び、そっと頬に触れた。


「潤…」


その手が心地よくて…夫婦であったあの日の様にそのまま身を委ねたくなった。


潤「何かあった?」


「あ…いや。何もないよ。大丈夫」


気持ちを振り切る様に潤から離れる。


潤「………そっか。ご飯作ってあるから」


それだけ言って潤は背中を向け、先にリビングへと戻ってしまった。


潤…ごめんね…。


気持ちを切り替えようと、太陽の寝顔を見てからリビングへと戻った。


ビールを飲みながら時折スマホをいじり、テレビを観てる潤の背中を見つめながら…潤の用意してくれた夜食を食べた。


夫婦だったあの頃は…仕事が残っていても潤は夕飯に付き合ってくれた。
勿論俺もそうしてた。
その時間が…疲れて帰って来ても癒しの時間になってた。
夫婦2人だけの時間。


今は…。
直ぐ傍に居るのに。
大きな距離が空いてしまった。


夫婦で無くなったという証なのか。
透明な分厚い壁が見える。


こうして俺はこれからもずっと距離を感じながら生活していくのだろうか。


考えるだけで…耐えられそうになかった。
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