第66章 恋の行方 PART 1
『連絡ちょうだい。待ってるから』
生放送の放送が終わり、反省会の後楽屋に戻ると斗真からメッセージが入っていた。
「………」
翔マネ「櫻井さんどうしました?」
「え?あ、何でもない」
スマホを閉じ、急いでネクタイを外す。
翔マネ「………車用意して来ますね」
「うん。ありがとう」
マネージャーが出て行った後、着替えながらもう一度スマホを開き、斗真に電話を掛ける。
斗真『もしもし』
「斗真?」
斗真『仕事お疲れ様。観てたよ』
「ありがとう」
斗真『………うちに来ない?』
「それは…」
斗真『また…泊まってよ。あの日みたいに』
「………」
斗真『愛してる』
「ごめん斗真。俺はまだそんな気になれない。ごめんなさい」
斗真『翔く…』
そのまま電話を切り、手早く着替えた。
無理だ。
俺はまだ潤を愛してる。
斗真に何度抱かれたとしても…変わらないんだ。
少なくとも今はまだ…潤の隣で…。
翔マネ「失礼します。櫻井さんお待たせしました」
「ありがとう」
そのまま俺は斗真を振り切り、自宅へと戻った。