第66章 恋の行方 PART 1
ゆっくりと唇が離れる。
そのままずっと見つめ合ってると斗真がもう一度顔を近付けてくる。
「ま、待って…」
うつ向きながら斗真の胸を押した。
斗真「2回は駄目なの?」
「………ごめん」
斗真「当て付けでもいいって思ってた。翔くんの為なら。でも…離婚したんだったら…遠慮したくない」
「斗真…」
斗真「あの夜の事…覚えてるだろ?最高だった…」
「お願い…止めて…あれは…」
斗真「分かってる。潤の事忘れる為だって。無かった事にしても構わなかった。でも…潤と別れた今…翔くんとの事無かった事にしたくない」
俺を抱き締めたまま斗真の唇が首筋を這う。
「斗真…待って…」
斗真「俺の傍に居て…翔くん…」
「と、ま…」
斗真「愛してる…」
「ん…ぅ…」
顔を背ける俺の顎を掴み、強引に唇を重ねられた。
「や…んぅ…」
舌を捩じ込まれ、絡み付いてくる。
「はふ…ん…」
強引な斗真の行動に抵抗するのも忘れ、彼の腕を掴んだ。
舌が絡み付く音だけが聞こえる中、突然扉をノックする音。
我に返った俺は慌てて唇を離した。
翔マネ「失礼します。櫻井さ…え…」
斗真「お、お疲れ」
「ど、どうしたの?」
斗真から離れ、立ち上がりながらマネージャーを見返した。
翔マネ「あ、いや…明日のスケジュールの事で…生田さんいらしてたんですか」
斗真「お、おう。仕事でね。翔くんが居たからお邪魔しちゃった。もう帰るよ。じゃあ翔くん」
「あ、うん…気を付けて」
髪を整えながら出ていく斗真。
マネージャーの視線が痛い。
「あ、変更って何?」
テーブルにあったペットボトルの水を無理矢理喉に流し込みながらマネージャーを見つめた。