第66章 恋の行方 PART 1
ー翔sideー
綾香ちゃんのおめでたが分かってから約1週間後。
俺達の離婚の発表があった。
直筆のFAXを連盟で出し、あくまで円満離婚だという事を強調した。
週末の発表だったから…週明けの芸能界はその話題で持ちきりだった。
週刊誌で取りざたされた潤と彼女の事。
テレビ番組で語った何気無く話した言葉をチョイスし、離婚に結び付けようとするワイドショー。
覚悟はしていたけれど…予想を遥かに上回る憶測やバッシング。
チーフ「皆お疲れ。ちょっと良いか」
仕事終わり、楽屋で着替えていた俺達にチーフが声を掛ける。
潤「はい」
翔「お疲れ様です」
チーフ「雅紀の結婚、グループで囲み会見をやる事になった」
「え…」
雅紀「本当に?」
チーフ「本当だ。その週の金曜日に発表。夜に囲み会見だ」
雅紀「どうして俺1人じゃ…」
チーフ「マスコミはな…おめでたいニュースより悪いニュースの方が聞きたくなるもんだ。必ずお前の事そっちのけになる可能性が高い。だから4人でフォローして結婚の話を盛り上げるんだ。それに2人の事も円満離婚だという事を強調しろ」
「………」
潤「でも…」
チーフ「とにかく雅紀の結婚を祝う事が先決だからな。頼むよ」
潤「………分かりました」
チーフが出て行った後、俺達5人の溜め息が楽屋に響いた。