第65章 答え
翔「もう寝ちゃった…」
「一緒にうちに帰るって思ったら安心したんだろ。こんな時間だしな」
翔「そうだね…」
バックミラーを見ると、後部座席で翔の膝枕で太陽は安心しきった様に眠っていた。
翔はそんな太陽を愛しそうに見つめながら髪を撫でていた。
翔「怒った俺が悪いんだけど…傷付いた」
「さっき?」
翔「うん。初めて太陽に拒絶されたんだもん。俺振り切って潤のとこに行くなんて」
「そっか…」
翔「………分かってたけど…太陽が1番傷付くって事は。分かってても…俺達それを選んだんだから…もっと…太陽の為になる事…ちゃんと考えないと」
「そうだな」
翔「離婚が発表になったら今よりもっと辛い思いするかもしれないのに…もっとしっかりしないと」
「考え過ぎるのは止めよう。手探りでもいいから色々考えよう。俺達のスタイルで行くしかないんだからさ」
翔「うん…そうだね」
頷いた翔は太陽の髪を撫でながら外をぼんやりと見つめる。
俺達のスタイル。
そう言った時、俺の中でひとつの考えが浮かんだ。
けれど、翔が納得してくれるのかどうか分からない。
でも…太陽の事を思うなら。
太陽の笑顔を守る為なら。
それも…無くはないのかと、俺は車を運転しながら考えていた。