第65章 答え
ー潤sideー
智「なぁ松潤」
「ん?何?」
りーだーに声を掛けられ顔を上げる。
智「………本当に…離婚したの」
「マネージャーから電話あったから成立したよ」
それだけ言って俺はまたパソコンに視線を落とす。
雅紀「………」
智「………」
俺の視界の端でりーだーと相葉くんが視線を交わす。
「………何」
智雅「いや別に」
「何だよ」
手を止め、眼鏡を外しながら顔を上げる。
智「………あっさりしてねぇか」
「何が」
智「離婚したにしてはあっさりしてんなって…」
「そう見える?」
雅紀「だって…松潤の事だから…その…もう仕事が手に付かない位ボロボロになるんだって思ってたから…」
「………そうだな。そうなってたかもしれない」
智「………何かあった?」
「………俺達もう一度やり直せる方法…沢山模索してたつもりだった。少なくとも俺はね。翔もそうだって思ってた。でも…違ったんだ。『やり直す自信ない』って言われたんだ。あっさり。それ言われた時にさ…力抜けたっつーか…何だったんだろうって。そりゃ悪いのは俺だよ。分かってる。分かってるけど…何か目の前でピシャッて扉閉められた感じ?『あー…多分これはどんなに扉叩いても駄目なんだろうな』って。そう思ったら…もういいやって思っちゃったんだよね」
雅紀「もういいって…」
「気が抜けたんだ。もう無駄な足掻きするより別れた方がいい関係築けるかもしれないって」
智「………後悔しない?」
「………後悔だらけだよ」
それだけ言うと、俺はまたパソコンに目を落とす。
りーだーも相葉くんも…それ以上何も言わなかった。