第10章 ♣️ウィンタースポーツが…
雅紀side
大ちゃんがこっちに向かって走ってくる…と、思ったら転んだ…
「あいばぢゃ~ん…」
半べそかいて俺を呼ぶ。
雪に埋もれた身体を起こしてやると、俯いたまま俺に抱きついて、唇を押し付けるようにキスをしてきた。
そして、
「あいばぢゃ…ん、どっか…いっちゃっ…た…思っ…て…で…」
最後の方はもう言葉になってなくって…
俺は大ちゃんの頭を撫でてやる。
「俺は何処にも行かないよ? だってこんな泣いてる大ちゃん置いて、行けないでしょ?」
大ちゃんは俺を見上げると、鼻をズズッと啜った。
「ね、大ちゃん、これ見てよ?」
俺は横にある白くてコンモリした山を指差す。
「え、えっ、かまくら…?」
びっくり顔の大ちゃん。
「そ、かまくら!」