第8章 ♠ウエディングベルが・・・
「ね? 幸せみたいでしょ?」
「う、うん…ほんとだ…」
頷いて智くんの顔を見た。
うっとりした表情で画面を見つめる横顔が、とても綺麗だ。
「これってさ、日本だけじゃなくて海外でも放送されてるんだよね?
ってことはさ、俺達世界中の人達の前で結婚式しちゃったみたいじゃん?」
確かにそうゆうことになるよねぇ…
「祝福…してくれたかなぁ?
翔くんと俺の結婚…」
智くんはそう言って、少しだけ不安気に表情を曇らせた。
不安になる気持ちが分からない訳でもない。
実際俺達はお互い『男同士』で、世間的には認められる関係ではないのかもしれない。
しかも、それが日本を代表するアイドルグループの一員だとしたら、尚更のことだ。
だからといって、智くんへの気持ちを無かったものにしようなんて、そんな気は一切ない。