第25章 ♠お片づけ
「お前、ちゃんと飲み物買ってきたんだろうな?」
腰にカフェエプロンを巻ながら、松潤の視線が手ブラの相葉ちゃんに向けられる。
その姿が、ベテランシェフみたいでさ、何だか笑えた。
「あ、いっけね! いや、買ったよ? ちゃんと買いましたって! でも、トランクに入れて、忘れてたんだよ!」
「まあまあ、分かったからさ、取りに行こうぜ?」
翔くんの手が相葉ちゃんの腰に回されて、2人はまた玄関の方へ消えて行った。
ぼくは2人の背中を見送った…つもりだったんだけど、
「智、そんな顔しないの。嫉妬丸出しだよ?」
って、松潤に頭をポンポンとされた。
「…んな顔してねぇし…」
「あっ、そ? 俺にはそうは見えなかったけどね?」
ニヤニヤ顔でキッチンに向かう松潤の背中に、あっかんべえをするぼく。
ああ、そうですとも。
しましたよ、嫉妬…
ぼくが見てる前で、相葉ちゃんの腰に手回すなんて…
嫉妬しない訳ないじゃん…
「智くーん、ちょっと手伝って?」
玄関の方から、ぼくを呼ぶ翔くんの声。
はぁ…
溜息を一つ零して、ぼくはリビングの入口から玄関を伺った。
「あっちゃ〜(^_^;) どんだけ買ってきたんだよ?」