第25章 ♠お片づけ
3月4日
ぼくたちはこの海の見える家に集まった。
仕事終わりの時間がバラバラだったため、当然集まる時間もバラバラだった。
ぼくに関して言えば、ぼくは免許を持ってないから、翔くんの車でここまで来ることになった。
疲れてる翔くんに運転して貰うのも申し訳ないな、なんて思ったんだけどね?
でも、僅かな時間でも2人っきりになれるなら、って翔くんは喜んで引き受けてくれた。
他のメンバーよりも、ちょっとだけ早く着いたぼくたちは、手分けしてリビングとトイレ、バスルームの掃除をした。
たまにしか訪れることのない割に、意外と埃とかは溜まるもので、松潤が大量の食材を持ってやってきた頃には、ぼくと翔くんはもうヘトヘトの状態だった。
「リーダーも翔さんもお疲れ」
そう言って松潤はぼくたちにコーヒーをいれてくれた。
「あとこっちは俺やるからさ、2人は少しゆっくりしときなよ?」
松潤がキッチンに入って、持ち込んだ大量の食材を冷蔵庫に仕舞っていく。
そこへ到着を知らせるクラクションの音。
コタツに入ってウトウトしかけたぼくは、その音に驚いて思わず飛び上がってしまった。
「お、雅紀来たみたいだよ」
翔くんがパタパタと玄関に向かった。
「やぁ〜、渋滞はまっちゃってさ〜、もぉ、参ったよ」
一気に家の中が賑やかになった。