第25章 ♠お片づけ
リビングにはもう一つのこだわりがあって、ボタン一つで動くスクリーンとプロジェクターだ。
リビングで映画鑑賞だって可能だ。
勿論、これは和の要望。
流石は主演男優賞にノミネートされるだけはある。
が、これには思った以上に費用がかかったが、スクリーンのサイズを一回り小さくする事で、なんとか予算内で収めることが出来た。
庭へのこだわりが強かったのが相葉ちゃん。
自然をこよなく愛する相葉ちゃんらしく、緑溢れる庭に仕上がった。
庭の片隅にはペット専用の小屋まで設置してある。
でも、メンバー誰もペット飼ってないよ?
ま、いずれ使うことになるかも知れないから、今はこのままにしておこうか。
そんなぼくたちのこだわりが詰まった家に、5人で集まれるのは、月にほんの数日しかない。
その数日を、ぼくたちはとても大事にしている。
だからこそ、最低限のルールを設けた。
①メンバー以外を家に上げるのは禁止。
これはメンバーの家族も例外ではない。
②メンバーの個室には、無許可で立ち入らない。
いくら仲が良くても、プライバシーの侵害はするべきじゃないからね。
③冷蔵庫の中は極力空にしておく。
生物なんか残ってた日には、大変な事になるんだよ、これが…
④たとえ喧嘩をしても、この家に来たら仲直りをする事。
折角の時間を、気まずいままで過ごすなんて、勿体無い話だ。
当たり前のことが、当たり前に出来ない時代だからこその、ごく当たり前のルールだ。