第25章 ♠お片づけ
この冬、ぼくたちは家を買った。
小高い丘の上に建つ一軒家。
庭に面した縁側からは、海が一望できる。
ちょっと古いけど、どことなく味のある家だ。
ただ外装も内装も築年数が経っている為、所々修繕工事が必要だった。
活かせる所は活かしながらの補修と、劣化の進んでいる箇所は補強した。
メンバーそれぞれの意見も取り入れつつ、最近流行りのリノベーション、ってやつだ。
ぼくたちの家だからと、仕事がオフの日にはメンバーも工事に参加した。
購入資金や、修繕にかかった費用は、当たり前だけど、5人で均等に割った。
漸く完成した家は、満足を通り越した、素晴らしい物になった。
二階建ての二階部分には、メンバーそれぞれの個室を用意した。
たとえ狭くても、プライベートな空間は必要だ、と翔くんの意見だった。
トイレと浴室は、二階と一階に一つずつ設置した。
これで朝の混雑が少しは解消出来る筈だ。
そして一階部分には、リビングとダイニングキッチン。
松潤こだわりのキッチンは、利便性を兼ね備えた造りになっている…らしい。
五人がゆったり寛げる広さのリビングには、季節に応じて変幻自在な、大きめのテーブルを置いた。
今は冬だから、当然コタツだ。
唯一ぼくがこだわったのが、このテーブルだ。
デザインの段階からぼくが制作に携わった、世界で一つしかないオリジナルのテーブルだ。