第3章 ♠小さな温もりが…
和也side
どうして…
どうしてあの人の隣にいるのが、俺じゃなかったんだろう…って、ずっと考えてた。
答えは簡単に出たんだけどね。
あの人…智が選んだ相手は、俺じゃなかった、ってだけ…ただそれだけのこと…
まぁ、結果告白する前に振られたってやつ?
でもさ、これがけっこう辛かったりするんだよね…
だってさ、あの人の隣にいる時の智の顔、すっげぇ幸せそうでさ…
あぁ、俺じゃこんな顔させてやれねぇな…敵わねぇな、なんて思ったりして…?
もう…なんての?
全部いやになっちゃったんだよね…
だからってさ、サトミーにこんな仕打ちはないよね…
いつだってサトミーは、傷ついた俺の心を癒してくれてたのに…
「……ごめん、ごめんサトミー…」