第3章 ♠小さな温もりが…
オイラがどんなに鳴いても、抱っこしてくれないし、それにオイラが嫌いな臭いがする。
『ミーミィー…(カズニャリ…?)』
それでもオイラは抱っこをせがむように、カズニャリの足に尻尾を巻き付けた。
でも………
「…んだよ、あっち行けよ!!」
一瞬フワッと身体が宙に浮いたかと思ったら、次には冷たい玄関に叩き付けられていた。
あれ…?
目の前が暗くなってきた…よ…?
『…ミ…ミー…』
「あ、あぁ…サトミー!」
何か温かいモノに包まれたと思ったら、カズニャリの声が聞こえた。
オイラの身体にポタポタ落ちる滴…
カズニャリが泣いてた…