第20章 ♦時計が・・・
「翔ちゃん、朝ごはん出来たよ〜♡」
言うと、翔ちゃんが新聞を畳んで、テーブルの縁に置いた。
空いたスペースに、お味噌のお椀と、お漬物、焼き魚、それと炒飯を並べた。
「さ、食べよ?」
翔ちゃんの向かいに座り、手を合わせた。
「なあ、何故に炒飯? 普通さ、味噌汁、漬物、焼き魚、ってきたら白米でしょ?」
あ、それ気にする?
「もぉ、細かいこと気にしないの!」
変なトコこだわり強いんだから、うちの旦那様は…
「まいっか…。いただきます」
翔ちゃんが炒飯を口いっぱいに頬張る。
ほんといつも美味しそうに食べるよね、翔ちゃんは。
「どう? 美味しいでしょ?」
聞くと、ウンウン頷いて、親指ピキーンて立てて、
「うましっ!」
って、その顔イケめてる〜♡
ほっぺの米粒は愛嬌だね(笑)
「雅紀今日何時?」
「んとね、俺は13時。翔ちゃんは?」
「12時だな」
2人で壁の時計を確認する。
現在の時刻、10時30分。
「じゃ俺、ちゃっちゃと片付け済ませちゃうわ」
俺が席を立つと、翔ちゃんはまた新聞を広げた。