第17章 ♠幻覚が・・・
和也side
扉の向から聞こえる叫び。
可哀想に、って思うよ?
だって智が絶対いやがることをアイツらはしてるんだからさ…
だけど仕方ないんだよ、智の為だから…
叶うことなら智の傍にいてやりたい…
でもアイツらはそれを許さなかった。
俺も一応はくいさがったけどさ、ダメなもんはダメ、の一点張りでさ…
俺はここで待つしかないんだ。
目の前の白い扉がカラカラと音を立てながら開いた。
と思ったら真っ直ぐ俺に駆け寄ってくる智。
「か〜ず〜、怖かったよ〜、痛かったよ〜」
真っ赤な顔して、目ウルウルさせる智の背中を、ポンポンと宥めるように叩いてやる。
俺より年上なのに、こうゆうとこはまるで子供みたいだ。
「分かったからさ、もう泣くなって。
んで、アイツら何だって?」
「ちょっと待ってろって言われた…」
ははーん、焦らすつもりだな?