第6章 ドS兄弟
翔は高校を出てすぐに就職した。
雅紀ももう少しで中学校を卒業する。
翔『雅紀…ちゃんと御飯食べてるか?
残業ばかりでごめんな…
今度日曜日は二人で美味いものでも
食べに行こうな…』
最近、日に日に痩せて行っている雅紀
の頭をクシャクシャと撫でながらそう
言う。
雅『大丈夫だよ。 心配症だなぁ~。
楽しみにしてるけど、兄ちゃんこそ
仕事無理しちゃだめだよ?』
そう言って、今にも泣きそうな引き
つった笑顔を見せる。
翔『雅紀…』
雅『に…いちゃ…ん? 』
壊れてしまいそうな肩を思わず強く
抱きしめる。
翔『ごめんな…』
そんなことをしているうちに、出発時間
になってしまって先に、学校へと雅紀を
送り出した。