第14章 ドSバイオリニスト
×バイオリニスト二宮
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『先生…。また7万円ですか? ゲスいなぁ~~』
『お前には言われたくないな。 俺はきちんと割りきった相手しかいないからな』
『ふ~~ん。 まあいいや。 今日はそれでお相手はいるんですか?』
『この流れで誘ってくるとは、やっぱりあんたには
負けるよ。』
演奏でも、二宮は英才教育で3才からバイオリンを握らされた俺と違って、学生からはじめてトップまで登りつめた天才タイプ。
『これでも、結構あんたの事 本気…だったり
するんですけどね…。』
『……え? 何か言ったか? 』
『いや。何でも。 俺の演奏…ちゃんと見ててくださいね?
自信失って弾けなくなるくらいにしてやるから…』
そう言ってニヤリと笑うと、親指を立て、ステージへと去って行く。