第3章 〜一味との時間〜
老「それかい?それは一種の美容液じゃよ。昔、とある民族が植物から作り出したものじゃ」
エ「美容液かぁ…」
老「お嬢ちゃん可愛いからあげるよ。こんな婆さんの話し相手になってくれたお礼じゃ」
エ「え?いーんですか?」
老「持ってけ持ってけ。ただしな、その美容液は普通のと違って、飲む美容液なんじゃ」
エ「飲むんですか!?」
飲む美容液、どっかで聞いたことがあるような、ないような?
老「服用は1日多くても3回まで。
そのビンの蓋はスポイトになっておる。そのスポイトで1回分2〜3滴を飲み物に混ぜて飲みなさい。
1回使えば2回目からは自然といつ使えばよいかわかるようになるじゃろ」
薬と同じような感じかな?
貰ったとはいえ女の子らしいものを手にすることが出来て内心すごく嬉しかった。
エ「ご親切にありがとうございます」
老「いいんじゃよ。それより、お友達が待っとるぞ」
ル「おーいエミリーー、そろそろ行こうぜ」
商品を物色し終わったらしいルフィがドアの前で私に呼び掛けてくる。
エ「はーい!えっとありがとうございました。これ大切に使わせていただきます」
老「こちらこそどうもね。楽しかったよ」
エ「それじゃあ失礼します」
老「最後にお嬢ちゃん、お友達と仲良くね」
そう言って老婆が今日一番の笑顔を浮かべる。
エ「はい!」
笑顔で手を振って返し、ルフィの元に駆け寄る。
でも、私はこの時老婆の見せた笑顔の本当の意味を知らなかった。
老(お嬢ちゃん、叶うといいね)
老婆が私たちの後ろ姿を、じっと見つめていたことも、
このビンが、私たちの関係を大きく動かすことになることも……。