第19章 DESPERATE
二宮side
次に気がついた時は既に陽が昇ってた。
首を動かすと
智はまだ目を瞑ったままで、
穢れを知らぬような顔で寝てる。
昨日あんなに乱れて、色気ダダ漏れで
喘ぎ狂ってたのに…。
あどけない顔とのギャップに
くらくらする。
あのまま、寝ちゃったから
智の身体も俺自身にも
昨日の情事の痕が残ってる。
重い体を起こして風呂にお湯を溜めて
準備が出来たところで智を起こした。
O:「…んにゃ?…かず?」
寝起きのせいと言うよりは
昨日の夜のせいで声が嗄れてる智。
なじられてもおかしくないのに
智はいつもみたいにふにゃっと笑って
俺をみる。
「おはよう…朝だよ…」
智の笑顔に俺は圧倒されて
なんとか絞り出せたのがマヌケな挨拶。
そんな俺に智が手を伸ばしてくる。
O:「おはよう…かず。
いろいろ…ごめん…なさ…い。
そのっ…」
「いいから…私こそ…そのっ…」
言い淀む俺に智は首を振る。
俺は伸ばされた手を
自分の両の手のひらで包み込む…。
それだけでよかった。
言葉なんて…必要なくて…。
「さとし…お風呂、入ろう?
綺麗にしないと…。
お腹…痛くない?」
手を伸ばし智を腕の中に入れる。
髪の毛に手を入れながら顔を覗くと
小さく微笑む智。
O:「平気…」
それだけ聞くとふたりで
シーツに包まって風呂場に向かった。