第19章 DESPERATE
二宮side
恍惚とした表情で
俺の欲望を舐めとる智。
「智…なんで…?」
自分がやっていることなのに
なんだかいたたまれなくなって
思わず口から零れた…。
O:「だって…おいらが…
わるいんだから…。
わるいこと…したら…
ばつ…うけないと…」
「智…」
O:「おい…ら、ちゃんと…するから…
やくそく…まもる…から…
だから…すて…ないで?」
『捨てないで…』
捨てるなんて…
そんなことできるわけがない…。
あなたを捨てるんなんて
できるわけないじゃないか…。
俺は智を抱きしめた。
「見捨てるなんて…できるわけない
俺たちは…智のことがが
好きで好きで、大切で…。
だからこそあなた自身に
あなたを大事にしてほしくて…」
O:「ごめっ、ほんと…ごめんっ
おいらが…おいらが…」
ぽろぽろと涙をこぼす智。
O:「かずっ、かずっ、
ごめん…なさい。
もぅしないから…
おしおき…して…くだ…さい」
泣きながら縋ってくる智に
思わず手が伸びた。
ぎゅっと智を抱きしめた。
躰を湿らす汗で冷えた肌に
自分の体温を伝えるように…
かたく抱きしめる。
手首に付けていた戒めを解くと
智の腕がゆっくりと
俺の背中に廻った。
そのままお互いに抱きしめあい
しばらく動くこともせずに
ただ智の嗚咽をきいていた。