第5章 旧い夢 【悪い夢 side S】
珍しく?仕事が早く終わったので
学生時代の友だちと飲んでから
家に戻って来た。
シャワーを浴びてさっぱりして部屋に戻る。
ニノと相葉くんはまだリビングで飲んでた。
潤くんは遅いらしい。
智くんは既に部屋に戻ったって言うから
もう寝てるかな?
O:「いやだ!!」
智くんの部屋の前を通り掛かったとき
声が聞こえた気がした。
寝言かなって思ってそのまま部屋に戻った。
なんとなく寝る気にもならなくて
部屋で今度の取材用の資料を眺めてた。
『ゴトッ』
智くんの部屋から何か落ちたような
音がした。
さすがに気になって部屋を出て
智くんの部屋をノックした。
『コンコンコン』
部屋からは反応がない。
寝てるならすぐに扉を閉めればいい…。
そう思って扉に手を伸ばし、
静かに開けてた。
ベッドサイドの灯りがほのかに光る部屋。
ベッドの上で智くんが肩を震わせ
声を殺して泣いていた。
「智くん?
どうしたの?なにかあったの?」
俺の声に智くんがドアのほうに
視線を投げた。
O:「…翔…ちゃん?
…ごめん
…もしかして起こしちゃった?」
首をふり無言で否定しながら
智くんのもとに歩み寄る。
ベッドの上の智くんを静かに抱き寄せる。
「なんで泣いてるの?」
智くんは無言でまた泣き出した。
泣き出した智くんを落ち着かせるように
背中を撫でた。