第18章 Will never let you go…
櫻井side
まるで餌付けのように智くんの口に
お粥を運んでいたニノたち。
でも、徐々に食べる速度が落ちてきた。
それに気づいた二人はさりげなく
自分たちの朝食をとる方にシフトする。
「もう、お腹いっぱい?
ごちそうさまする?
さっきからさ、ずっと思ってたんだけど
マジでうまそうなんだよね、それ」
そろそろと思って声をかける。
多分残すのがイヤで言えないのかなって
思ったから。
N:「太りますよ?
って言いたいところだけど、
翔ちゃんなら二口だね?
十分じゃない?」
M:「うん、ちょっと多目によそったし
よく食べたね、智さん」
そんな二人に嬉しそうに笑う智くん。
O:「すごく…美味しかったから…。
翔くんも…食べてみて?」
「じゃ、遠慮なくぅ。
…ん、旨い!」
O:「ね?優しい味がするでしょ?」
「だね。愛されてるね、智くん」
俺の一言に返ってくる声はなかった。
ね、わかってよ?
潤の気持ち…、俺たちの…気持ち…。
きっと、わかってるよね?
だから…もっと甘えて?
俺たちに頼って?
ずっと…傍にいるから…。
残りのお粥を飲み込み気持ちを切り替える。
「潤、ご馳走さま!
さて、俺も準備して行くかな?」
その一言に俯き気味だった智くんの顔が
すっと上がる。
O:「翔くん、オフじゃないの?」