第17章 Rolling Days
櫻井side
抱き締めた智くんの背中に手を這わせながら
耳元に唇を寄せる。
「智くん、そばにいれなくてごめんね。
あのさ、泣いて…いいんだよ?
甘えていいんだよ?
そのために俺たちがいるんだから…。」
O:「翔くん…」
智くんの眉が何かを堪えるように下がる。
そんな顔を見たら…。
仕事とはいえ今、この時期に智くんの側を
離れるのは正直辛かった。
でも…それでも仕事は仕事。
多くの人が関わってる以上私情は挟めない。
自分の気持ちを落ち着かせるように
智くんの首筋に顔を埋めた。
智くんの匂い…。
このままと思ったところに
入口付近に気配を感じて智くんから離れる。
マネ:「翔さんそろそろ…
えっ?大野さん?」
マネージャーの反応に智くんの体が震える。
大丈夫だよって目で伝えて
マネージャーに言う。
「もう、時間?んじゃ行こうか?」
智くんの手に小瓶を渡しながら
入口に向かって背中に手を当てて促す。
「智くん、疲れてるのに俺の忘れ物
届けてくれてありがとう。
助かったよ!
ゆっくり休んで!行ってくるね…」
O:「うん、いってらっしゃい、頑張って」
智くんが少し声を張っていう。
マネージャーの手前だからね。
頑張ってなんでもないふりしてるんだよね。
車の外で手を振る智くん。
俺の乗った車は相葉くん達の車よりも
先に出発する。
後ろ髪を引かれる思いって
こういうことを言うんだなって思う。
同乗しているマネに疲れたから寝るって
言って早々にベッドに潜り込んだ。