第17章 Rolling Days
大野side
おいらは潤くんに引っ張られたまま、
次々なる音に合わせて
文字を追い掛けるのが精一杯。
そうこうするうちに駐車場にいた。
M:「おっ、間に合った!」
特殊仕様に改造された事務所所有の
キャンピングカーが駐車場に置いてある。
シルバーウイークの最中、
移動に新幹線や飛行機は使えないから、
必然的にこれになる。
M:『出てこれる?』
OKって3つスタンプが並んだかと思うと
3人が出てきた。
N:「うわ、ホントにいた!」
M:「『ホントにっ』てなんだよ?それ」
N:「だってあんた達、
部屋で飲んでたんでしょ?
だからね、
新手のジョークかと思ったの」
M:「酷いなぁ、お見送りにきたのに」
A:「ありがとう。
って、どんだけ慌てて出てきたの?
大ちゃん寒くない?」
Tシャツにスエットのまま出てきたおいらに
相葉ちゃんの方が慌てたような声で言う。
「ん?平気だよ?」
程よくアルコールも入ってるから
そんなに寒さは感じなかった。
S:「智くん、ちょっと来て」
翔くんがおいらの手を引いて翔くんの
トレーラーに連れていく。
相葉ちゃんとニノとは違う車。
翔くんは東京まで戻るから…。
トレーラーの中に入ると
翔くんはネルシャツを手に取って
入口付近で立ったままの
おいらの所に戻ってきた。
S:「これ、着て?」
そう言って肩にかけられたシャツからは
翔くんの匂いがして…
包まれてるみたいだった。