第16章 Don't be discouraged!
松本side
智さんはきっと全部聞いてるはずなのに
薬のことには一切触れなかった。
抱き締めて体温で、鼓動で、
【大丈夫、ひとりじゃない】って
教えてくれる。
背中を撫でる手が優しくて…
心に残る澱のようなものが溶けていく…。
O:「潤、あのね?
全部抱え込まなくていいよ。
どんなに忙がしくてもね、
おいら話聞くよ?
潤だけじゃなくてね、
和のも、雅紀のも翔くんのもね、
ちゃんと聞くよ。
おいらだけじゃきっと解決なんて
出来ないけど…
翔くんも、雅紀も、和もね
みんながいればきっと
なんとかなるよ?
だからね、みんなで乗り越えようね?
どんなこともみんなと一緒なら
平気だから」
「智…俺…」
O:「ふふ、大丈夫。
たまにはお兄さんたちに任せなさい。
潤くん、働きすぎだから少し休憩!
ね?」
智さんが俺の顔を覗きこむ。
N:「えー?
いま休憩されると困るんですけど…」
A:「だってこれから収録だよ?
あ、リーダーも
省エネモード禁止だから」
N:「お兄さんたちに任せていいみたいだから
潤くん、今日は楽させてもらいましょ?
ってことで翔さん、智よろしくね?」
S:「ええ?ちょっ、それおかしない?」
A:「俺、どっち?」
S:「当然お兄さんでしょ?」
A:「まじか?となるとニノもじゃん?」
N:「ちょっ、巻き込むなや!」
智の横で3人の様子を見る。
「温かいね…」
呟いた俺に、智さんが一つ頷いた。
うん、大丈夫だね、俺。
こんな、暖かいところにいるんだもん。
少しだけ休んだら…また走り出そう…。
うん、前を見れる、進める!
この大事な人たちを守れるように
強くなる…。
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