第4章 悪い夢 side O
嫌だ…来ないで…。
ヤダ!なんでこんなこと…。
なんで?なんで?なんで?
声を上げようとしても声が出ない。
体を動かして抵抗しようとしても
無数の手に押さえられる。
口を押さえる手。
足を押さえる手。
洋服も既にボロボロで…。
やだ…助けて…。
お願い…たす…け…て。
「いやだ!!」
ようやく口から出た声。
その声で目が覚める。
…夢?
久しぶりに見た夢。
10年前に自分の身に実際に起こったこと…。
忘れたいのに忘れられない…。
もう吹っ切ったつもりなのに…。
まだ鮮明に残る無惨な記憶…。
おいらの口から嗚咽が漏れた…。