第16章 Don't be discouraged!
松本side
浴槽の縁に腕を置き、自分の身体を洗う和を
見るとはなしに眺めてる。
和の白い肌。
子どもみたいに柔らかなラインを描く姿態。
さっきまで抱かれていたのに…足りない。
もっともっと和が欲しくなって…。
強欲な自分自身に呆れる。
でも…和が欲しい。
和也を抱きたい…。
なんて言ったら…
和はどんな反応をするだろうか?
身体を洗い流した和が
濡れた髪をかきあげながら俺を見る。
N:「ん?潤くんどうしたの?」
「どうもしないよ。見てただけ…。
和も入って。
身体冷えたら、腰、痛くなるでしょ?
そうでなくても…」
さっきまでの行為を思い出して言い淀む俺に
しれっとした顔の和。
N:「『そうでなくても…』なに?
あぁ…。
腰を酷使したって言いたいの?
しょうがないでしょ?
潤くんが可愛かったから」
浴槽に入りながらそう言って俺の事をみる。
向き合った和也の腕を取り
身体の向きを変えて、
和を後ろから抱きしめた。
「和、あれで足りた?
1回しかイってないだろ?」
抱き締める腕をずらしながらそう言うと
和が反撃するように言う。
N:「潤はたくさんイったもんね?」
「そうだよ、でもまだ足りないって
言ったらどうする?」
N:「え?足りないの?」
驚いたように言う和。
そうだよ、足りないんだよ。
もっと…温もりを愛を感じたいんだよ…。